和式四弦 レアエワル LE'A'EWALU 絹糸弦 鈴木慎一 Shinichi Suzuki







漆の歴史は日本では和弓、和琴よりも古く今からおおよそ13000年近く前から使われていたことからも我々日本人の持つDNAには、より深く直感的に共感するはずです。

数字「七」のことを旧漢字で「漆」で表したことからも漆が日本人にとって数字同様に身近な存在であったことは容易に想像がつきます。日本人にとって「7」はラッキーセブンと言われる存在、そして「8」も同様にラッキーナンバー。当社のロゴ:777+8はまさにラッキーナンバーの集合体。関わった人、総てに幸運をもたらせられるようなブランドを目指したいと思います。

日本古来から我々の身近にある漆による上質な塗装で仕上げ茶道具や御椀、家具などと同様に演奏をしない方々からもひとつのアートとして置いておくだけでも愛される木器を想定いしてデザインしております。漆器の底力を知っていただきたかったからです。

漆(漆器含む)は英語表記では


日本そのものを示すこの言葉を持つ漆はかつては日本国内で全て賄えたのですが安価で取り扱いの楽なラッカーに駆逐され今では国内で使われている国産漆はわずか数%、残りはベトナムや中国から外国から輸入に頼っている状況です。

これに加えて生漆を採取するための特殊器具を作る鍛冶職人は岩手に唯一の国選定保存技術保持者・中畑文利氏しか残っていないという危機的状況です。次世代を担う若い鍛冶職人たちを育てることはまさに時間との戦いとなっております。当然、無上を謳う我々は値段も外国産の10倍以上かかる国産純正漆を第一選択しております。

和式四弦の存在を広く知ら示し、若い日本人の職人たちを増やしていきたいと思います。雨季の多い日本列島の環境を考えると漆と木の融合は必然的な流れであり、木材を固くしたり防腐強化する効果があるので食器だけに留まらず、建築物から神具、武具、家具にまで広く使われてきたことはご存知でしょう。

生漆は一本の漆の木から200cc程度しか採取できない貴重なマテリアル。金にならないものは消滅すればいいと商業至上主義者は非情にも吐き捨てますが、これを読んでいるあなたも和漆は未来の日本において必要がないと思われますか?

大部分の国民が勉強不足というだけで実情を知れば我々の悲願を御理解いただけるのではないでしょうか。


撮影:フェリーチェ・ベアト (1860年頃)


古式拭漆は一度に厚く塗らず、時間をかけて薄く繰り返し塗るので木の自然な質感を損なうことはありません。大部分のパーツが天然の木からできている樂器には化学素材ではなく天然素材である漆が物質的に相性が一番、合うはずです。

ご存知のように日本の伝統工芸品のひとつである漆器は食器や家具等としても機能しますが使わずに飾っておくだけでも世界中での評価が高いことは周知のことです。LE'A'EWALU の提案する和式四弦も樂器ではありますが同時に漆器でもあります。すなわち、和式四弦は英語では「Japanese Four Strings Instrument」でもありますが広義で「JAPAN(漆器)」という言葉で表現することが出来る樂器のひとつなのです。

金沢・喜八工房 古式拭漆御椀


古式拭漆の場合は年月が経つにつれ色が徐々に明るくなっていきます。演奏等で擦れたり陽に当たってできていく風合いと経年的変化による枯れた味わいは「寂」として感じていただけるでしょう。

これは日本刀にも通じますが、ただ切れ味が良いだけでなく硬く見た目の美しさを兼ね備えた名刀は何百年という時が過ぎても宝の如く大切にされております。同様に楽器だけの枠に囚われず阮咸や琵琶のような美術品の域を目指すことが和式四弦のステイタスの底上げに繋がると考えております。最近、若者たちの間で日本刀の美しさ、良さが見直されていることは実にたいへん喜ばしいことであります。海外に大量に流出してしまった刀がひとつでも多く帰国出来ることを祈っております。

日本を取り戻す、の本当の意味を国民全員で再考すべき歴史的にも重要な時期に突入していることは賢明な方はひどく痛感されていることでしょう。やみくもに妙な組織に追従する前に日本人が日本人としての確固たる信条を持つことから未来の日本がまともな方向に動き出すような気がしております。