明治23年(1890年)
ライムント・フォン・シュティルフリート撮影
これは125年以上も昔の写真ですが女性が抱えている月琴という樂器はご存知ですか?
実は日本ではお馴染みのハワイ生まれのウクレレや日本に古くから有る耳なし芳一で知られている琵琶同様、月琴のルーツも皆、同じです。
世界中の四弦樂器は今から2000年ほど以前のイラン(旧ペルシャ)で誕生した四弦樂器・バルバットから派生したものなのです。
このバルバットは東伝ではシルクロードを経て中国では胡琴、琵琶と呼ばれ、また形を変え円形の阮咸や月琴を派生しながら海を渡り奈良時代に日本に上陸したと言われています。
琵琶の表側にある左右二つの鏡面対の穴はイスラムのシンボル、月をデフォルメしたものであることは皆さん、ご存じのことでしょう。2000年も前から日本に存在する琵琶はイスラム諸国と日本の間には深い縁があったという過去から未来へのメッセージに他なりません。
西行ではトルコ、モロッコではウード、ポルトガルやイタリアではテオルポやリュート、ブラギーニャと徐々に形状や名前を変え、やがて大航海時代に入り世界中に急速に拡散されることになります。メキシコでカバキーニョ、そしてハワイでは皆さんよく御存知のウクレレと呼ばれるわけです。