和式四弦 レアエワル LE'A'EWALU 絹糸弦 鈴木慎一 Shinichi Suzuki







④渡来四弦の昇華型、和式四弦/和式四弦改

LE'A'EWALU は2020年の東京オリンピックまでに琵琶、阮咸、ウクレレなどといった渡来四弦に対して絹糸絃という日本の魂を持たせた和式四弦/和式四弦改を日本国内で普及させたいと思っております。

そして日本人がハワイでウクレレを土産にするように多くの外国人が日本土産として[和式四弦]絹糸弦セットもしくは弊社だけでなく日本中の撥弦樂器メーカー製造の和式四弦本体を買って帰国する状況を期待しております。

日本人は日本人なりに他国の影響を受けつつも自国において渡来物を昇華させられるカスタムイノベーション能力があることを改めて誇示したいと思います。

LE'A'EWALU ではプロ卜タイプ完成より現時点までに和式四弦としてのテスト曲がいくつもあるわけですが(和式四弦の)使い方、演奏法はこうあるべきだ、という展開よりも「zeroから(和式四弦は)始まる」というスタートの方がプレーヤーにとっては勝手気侭に展開出来ると判断し、LE'A'EWALU としては一切、クローズします。

100年後、1000年後にも和式四弦/和式四弦改が愛され続けるには教本有りきのような展開でなく、自由な展開こそが肝要だと確信しております。

一日の終わりに酒を嗜みながら、また吟行のお供に和歌を詠む如くが絹糸絃を爪弾く・・・。ぜひ自分なりの自分だけの趣向の愉しみ方を見つけてください。


web より

日本人全員が洋服を捨て江戸時代のように年中着物で過ごす時代が二度とこない事と同様に日本文化の変遷は二度と止められません。しかし京都老舗・西陣織[細尾]のように新たな「道」を模索・追求していけば未来にも繋がる日本文化の進化系として世界にも認められ恒久的に残っていくことができるはずです。

日本人のカスタムイノベーション能力は樂器をはじめ、あらゆる分野(服飾、アルコール、コミック、アニメーション、ゲーム、料理、クルマ、バイク、家電、建築物、メガネ、飛行機、鉄道 etc)で、すでに世界中から一目おかれていることは紛れもない事実です。完全形骸化した過去のムーブメントに固執するよりも和式の昇華に前進するほうが明らかに労力の無駄がないでしょう。

余談ですが樂器において肝心なことは音色・形状共に優れたことに間違いないので付随的な性質として我々が琵琶や阮咸ではなくクラシックギター状のボディスタイルを採用したことは日本の今の姿とシンクロしており素直に「格好いい」からです。

ウクレレの販売状況を見ても圧倒的に市場では0スタイルではなく8スタイルが売れていることは言うまでもありません。

中国での阮咸のそのままの進化はまさに中国人のプライドの現れなんでしょう。中国で琵琶の進化したものが小阮、中阮、大阮なのですから・・・。

和式四弦を後世に確実に残すために日本の現状を鑑みギター経験者、ウクレレ経験者がそのまま移行できる環境が必要であると思いました。逆にいえば琵琶奏者からすれば歴史と格式ある和樂器とは程遠い異端な樂器に映ることでしょう。

しかし、和弦樂器未経験者には最も受け入れやすいことも間違いありません。日本の抱える森林業、養蚕業といった課題にも勉強を繋げられます。

日本人が義務教育で和樂器を使わず洋樂器を使う理由がそもそも見当たらないのではないでしょうか。外國人が義務教育で和樂器を使っているなどという話を耳にしたことはないはずです。

津軽三味線のギターにも劣らないパフォーマンスポテンシャルは若い演奏家たちによって証明されておりますが学校教育で三味線は大きすぎてとても全ての小学生が扱える代物ではありません。

三味線とロックとのコラボも仙台・MONKEY MAJIK が見事にカタチにしておりますが、それでもなかなか三味線が普及しないのは演奏ノウハウが普及していないからでしょう。その点、和式四弦はウクレレサイズですしストローク奏法もメロディ奏法も簡単ですので小学生にマッチしております。

現代における著名な日本のギタリストは周囲の大人たちの演奏を見よう見まねでスタートしております。それこそビートルズ以前では古賀政男氏あたりが大元ではないでしょうか。歌謡曲という日本に無かったジャンルの音楽を誕生させ人々の心を惹き寄せました。あとはドミノ倒しのように大勢のギタリストが続いていったわけであります。

和音がコントロールしやすい和樂器として和式四弦が広く普及していけば音程に幅が広がりますので邦樂界も必ずや活性するはずです。

この和式四弦を通じて改めて和樂器の良さに気づき二次的に琵琶や箏、笙、三味線、太鼓等和樂器を手に取る日本人が増えていくことも大いに期待して止みません。

和式四弦が一過性のキワモノで終わらないように社命をかけて恒久管理していきたいと思っております。

「Made in JAPAN」で大切なことは単なるコピー製品で終わらせずに種子島から空に向かって発射される国産のイプシロンロケットのように「核」の部分での日本らしさ(緻密である、故障しにくい、燃費効率が良いなど)を妥協せず独自の文化観に合うように昇華させ続けていくことではないでしょうか?

かつて「日本語ロック戦争」なる論争がありましたが、日本語で歌おうが英語で歌おうがプレーヤーや聞き手にとって「感性に合い、心地良ければ日本語だろうが英語だろうがどっちでもいい」のであって白黒を付けること自体がナンセンスでしょう。


富士山 webより

和樂器も本来、歴史と伝統がどんなに大きく重いものであったとしても廃れて終には正倉院や博物館に陳列されては元も子もありません。やはり樂器は人に触れられ、人に愛されてこそ存在意義があるはずです。和樂器も若い人たちから「ぜひ触れてみたい」と思われないと演奏人口は減っていくばかりです。

その点からいえば「和楽器バンド」なる新進気鋭の若者の集団は我々にとっては大きな追い風となってくれていると大いに喜んでおります。出来れば彼らにぜひ、和式四弦を使ってもらいたいところです。

和式四弦の存在によって日本国民に和樂器を身近に感じてもらえればまた、いずれの日にか日本のあちこちで従来の和樂器を含めてかつてのような隆盛を極める時代もくる可能性も出てくるのではないでしょうか。

アマゾンの秘境奥地で原住民が三味線をいくら器用に引いても我々の目からすれば奇異な情景にしか見えないのと同様、日本人には和樂器がいちばん似合うはずです。和式四弦が市民権を得たのち和式六弦、和式八弦等の市販化も我々は視野に入れております。

現代日本音樂における和式電気弦樂器を用いたJ-ROCK、J-POP といった若年世代ジャンルでの展開ができてこそ和式四弦思想の定着化が起こります。それは未来を作るのは老人ではなく若者だからです。

総ての日本人のDNA にある感動の経験データを呼び起こすことが出来る和式樂器を目指し、日本人のための「無上の音色」を探した末に和式四弦が生まれました。まさに日本人のための日本の新しい弦樂器なのです。